キャッシュレス化きゃっしゅれすか
現金を扱う手間やコストがなくなる
キャッシュレスは、現金を使用しない決済で、銀行口座振替やコンビニ収納、クレジットカードなどを指す。フィンテックの進歩により、Suica・PASMO、iD楽天Edyなどの「電子マネー」や「仮想通貨」といった新たな決済手段が登場し、キャッシュレス化は加速している。
現金を持つ必要がなくなることで、ひったくり、車上狙いといった路上犯罪が減るなどのメリットがあるほか、利用履歴が確認しやすく、店舗運営では会計ミスなどを減らすことができ、現金管理の手間が省ける。
キャッシュレス率98%のスウェーデンでは、「現金お断り」のショップや飲食店が増え、現金では鉄道やバスにも乗れない。スウェーデンの6つの主要銀行が共同開発した決済システム「Swish」は、ケータイ番号と個人認証だけで自分の銀行口座から直接、買い物や飲食などの支払いが可能で、口座間の送金も簡単にできる。2012年のサービス開始から5年で国民の半数以上が「Swish」を利用しているという。
ネットコミュニケーションツール「Skype」を生んだIT大国エストニアでは、銀行口座に直接リンクした決済用カード「デビットカード」の普及率が高い。しかも、エストニアの国民データベースは、決済の内容を把握して、銀行口座から家計簿が自動的に組み立てられる仕組みになっている。そのおかげで、税金は自動計算となり、個人も企業も納税申告する必要がなく、税理士や会計士の職業がエストニアから消滅した。
モバイル決済の先進国といわれる中国で主流なのは、「QRコード」と「スマホアプリ」。送金サービスのアカウントさえあれば、特別な審査もいらず、無料に近いコストで導入できる。個人間の送金もQRコードで行える。
日本の遅れはメンタリティが大きく関係している
キャッシュレス化が進めば、お金の流れを特定するのが簡単になり、徴税コストも下がる。エストニアで納税申告の必要がなくなったのは、興味深い出来事だよね。人口が少ないからできた側面もあるだろうけど、日本でも税務申告がなくなると企業が助かる。
決済がすべて電子化されれば、国民の生活も便利になるだろうけど、それよりも政府が簡単に国民を管理できるようになる。決済情報や位置情報などがIDと紐づけられれば、国民の行動はすべて把握できる。マイナンバーも含めて、国家による管理は仕方がないこと。やましいことがなければ、国に情報を握られても気にならないはずでしょ?
日本はキャッシュレス化が遅れているけど、技術的な問題よりもメンタリティが大きく関係している。今でも現金主義の人が多く、クレジットカードで買物するのを“借金”と思っている。借金自体に罪悪感を持っている人も少なくない。
Amazonで買物しても、クレジット決済にしないと手数料を取られる時代。生活をキャッシュレスにしないと損するんだから、現金以外で決済することに対する抵抗感をなくさないといけないね。