ライドシェアらいどしぇあ
クルマとライダーをマッチング
乗用車の相乗りをマッチングさせるサービスの総称。ライドシェアには、大きく分けて2つのタイプがある。目的地が同じ、あるいは同じ方向にある複数の人が、1台の車に同乗する「カープール」は、出勤の際に近くに住む知人同士で相乗りするケースが該当し、多くの場合、無償もしくは実費のみで行われる。
一方、スマホアプリを介して、登録されたドライバーと利用者のマッチングを行い、決済までを行うのが「TNC(Transportation Network Company)サービス」である。
TNCサービス型のパイオニアといえるUberは、2014年からタクシーの配車を行う「Uber TAXI」「Uber TAXILUX」、専属ハイヤーの配車を行う「Uber BLACK」のサービスを東京で提供している。
しかし、Uberが爆発的に伸びた要因である、一般ドライバーとライダーをマッチングさせる「Uber X」のサービスは、日本で実現していない。過去に「Uber X」に近いサービスが福岡市で実験的に行われたが、「白タク行為にあたる」と判断され行政指導を受け、開始わずか1カ月で中止となった。
過疎地などではライドシェアが大きな力になる
日本では、国交省がタクシーの総量規制をしており、過剰な競争状態に陥らないようにしている。タクシードライバーには「普通自動車第2種運転免許」の所得が義務づけられ、それが無い人が自分の車に客を乗せて目的地まで運んで料金をもらうと違法行為となる。
いわゆる「白タク」と呼ばれている問題ね。白タクが違法である以上、Uberはタクシーやハイヤーの配車アプリでしかなくなる。つまり、Uber本来の良さであるCtoCができない。
タクシー会社は、ドライバーの社会保険も負担しているし、サービス水準の維持のためにコストもかけている。ドライバーは会社の規則やサービス水準を守る義務があるから、利用者は安心して利用できるんだ。
一方、Uberは白タクをする人に対して、タクシー会社のように何かしらの保障をするわけではない。白タクが増えることで、「水増し料金を請求する」「接客態度が悪い」など、悪質なドライバーが出てきても、利用者を守れないこともあるだろう。
Uberの進出は、日本のタクシー業界に大きな波紋を引き起こしているけれども、Uberはアメリカのサービスであって、日本に進出するなら日本の事情を考慮する必要がある。アメリカで盛んだからという理由だけで、日本の規制を解除するのは得策ではない。
ただ、過疎地など、タクシーを拾いたくても拾えない場所では、ライドシェアが大きな力になると思うから、日本に合った形で導入できるように考えてほしいね。
2016年5月から京都の京丹後市で、Uberのシステムを活用した試みが行われているよね。2種免許を取得して登録した地元の一般人が、Uberで呼べば来てくれる。福岡市の場合と違い、交通空白地におけるニーズに応えるサービスとして認可も受けているそうだ。