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人種差別じんしゅさべつ

国際条約は締結されるも解決できない人類史の難問

人種や民族、国籍、地域によって人間に優劣をつけ差別する行為や思想。自分たちよりも劣ると決めつけた人を対等ではない立場に置き、不平等かつ不利益で不条理な要求を押しつけたり、攻撃的な態度や暴力によって正当な権利を奪ったりと、人類史においては世界中で人種差別が行われてきた。

アメリカの白人による黒人差別は、人種差別の中でもよく知られている。アメリカでは17世紀から19世紀の中ごろにかけて、黒人奴隷制度が一般化しており、第16代アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーンが、南北戦争中の1862年9月に「奴隷解放宣言」を発し、1865年に成立した「アメリカ合衆国憲法修正第13条」で公式に奴隷制の廃止を謳った。

しかし、20世紀に入っても人種差別主義者や白人至上主義がアメリカ南部を中心に存在。マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師らによる公民権運動の影響で、黒人差別の風潮は和らいでいるが、今は20世紀後半にメキシコや南米から移住してきたヒスパニック系が、黒人に代わって差別の対象となっており、2017年に就任したアメリカのトランプ大統領は、人種差別的な発言で非難を浴びる一方で支持を集めたともいわれている。

人種の違いを理由にする差別を撤廃することを定める多国間条約である「人種差別撤廃条約(略称)」が1965年の第20回国連総会で採択され、1969年に発効している。2018年3月現在、締約国は179にのぼり、日本は1995年に締結。

人類が抱えているジレンマ。恐ろしく長い時間をかければあるいは…

「人種差別、ダメ絶対!」なのは、わかる。けれども、現実的に悪循環を断ち切らないと本当の意味での人種差別撤廃にはならないし、その道は困難を極めると思う。

恐ろしく長い時間をかければ、人種差別は撤廃されるかもしれない。しかし、差別はほかにもあるし、新たな差別も生まれていて、差別自体がなくなる日は来ないかもしれない。

学力や運動能力などで優劣をつける時点で、差別を生む構造があるわけであって、といって区別する構造がないと社会はうまく機能しない。人類が抱えているジレンマだよ。

人種差別は、たまたま文明が発達したヨーロッパ列強が世界各地に植民地をつくり、白人以外の人種を支配してきた歴史が根底にある。そして、自由の国として建国されたアメリカで奴隷制度が敷かれて黒人が差別された。リンカーンの奴隷解放宣言の後も、人種差別は根強く残り、現代ではスラム問題なども絡んで「有色人種は劣る」という白人至上主義のDNAは根絶されないようだね。

 2018.07.23更新

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