官僚かんりょう キャリア官僚、キャリア
国家公務員の中でもとりわけ国家の政策決定に大きな影響力を持つキャリア官僚を指す。キャリア官僚は、国家公務員試験の総合職試験、上級甲種試験またはI種試験(旧外務I種を含む)に合格し、幹部候補生として中央官庁に採用された国家公務員。
高級官僚の登用、昇進においては、キャリア制度と呼ばれるシステムが採用されており、採用時の試験区分によって選抜された幹部候補グループ(キャリア)は、その他の職員(ノンキャリア)と区別され、一律に人事管理が行われ、昇進も早く、省庁の上部ポストをほぼ独占する。
官僚の出身大学は、東京大学をはじめ大半が高学歴とされる学校で、いわばエリートである。官僚になった後は、最高位のポストである事務次官を目指し出世レースが行われ、中には選挙に出馬し政治家に転向したり、天下りして民間企業への転籍をしたりする官僚も少なくない。
三権分立の原則からいえば、官僚は行政官だから立法府とは関係がないはず。でも、議院内閣制を採用しているのも手伝って、行政と立法の独立性が希薄になり、官僚と国会議員、特に閣僚とは切っても切れない関係にあるのは事実だね。
キャリア官僚の能力を考えたら、安い給料で頑張っているよ。外資系の銀行に勤めれば、ケタの違う収入を得られるような人たちなんだから。某大手商社の人事部長が「本当に欲しい人材はみんな霞が関に行っちゃう」と嘆いていたぐらい。
キャリア官僚はそれくらい頭の良いエリート集団だから、彼らの能力を社会に反映させるのに官僚主義は悪いことではないと思う。それぞれの分野のスペシャリストとして内閣を支えている。
国を背負って懸命に働くのは、やりがいもあるんだろうね。ところが、長く働くうちに省益にまみれて、いつしか既得権益を守るだけの人間になってしまう人もいる……。残念なことだよね。
2014年に内閣人事局ができて、官僚の幹部の人事を官邸主導で決めるようになった。そのせいで官邸の意向を忖度するようになったのは問題だよ。イギリスでは与党の人間は官僚との接見が禁止されている。野党はOK。だから、忖度も起こらない。