経済産業省けいざいさんぎょうしょう 経産省、METI
政策や統計の解説・白書はお任せ
経済産業政策、通商政策、産業技術、貿易・商務流通政策などを所管する中央省庁。2001年の中央省庁再編により、通商産業省から移行する形で設置されたが、前身の通商産業省は、許認可や行政指導を駆使し高度経済成長を牽引。日本経済の司令塔としての役割を担った。
産業政策や経済・産業に関する調査・統計などを担当する経済産業政策局をはじめ、通商、貿易を司る「通商政策局」や「貿易経済協力局」、産業技術、製造業、情報通信業、流通業、商業、サービス業を担当する「産業技術環境局」や「商務情報政策局」といった内部部局に加え、資源エネルギー庁、特許庁、中小企業庁も外局として持ち、日本の産業全般に対し大きな権限を握っている。
工業統計調査や生産動態統計、商業統計など経済産業省が実施する統計調査のうち、10統計が総務大臣により基幹統計に指定されており、厚生労働省、国土交通省の9統計よりも多く、基幹統計に採用されている統計数は省庁の中で最多を誇る。
「通商白書」「製造基盤白書(ものづくり白書)」「中小企業白書」「エネルギー白書」を毎年、執筆・編集し、公式ウェブメディア「METI Journal」 を通じて政策や統計の解説などの情報を発信している。通産省時代から自由な気風を持ち、経済界との交流も多いことから、経済界に数多の人材を輩出してきた。
個人が自由に発言できる省風を感じる
厚労省や国交省に比べ、管理するよりも官民で協力して政策を進める官庁だよね。産業政策にかかわっている人が多いからか、僕は経産省の官僚とは水が合う。
経産省の人たちは、民間の考え方や立場をよく理解している。役所の論理で動かずに、実業の世界をわかったうえで、政策を進めている印象がある。経産省は規制緩和に積極的だから、厚労省をはじめガチガチに業界を縛る省庁とは、よく衝突しているよ。
昔、大蔵省と通産省の官僚の対談を仕切ったことがあるんだけど、通産省は大蔵省とは違い原稿に厳しいチェックも入らず、個人が自由に発言できる省風を感じた覚えがある。一方の大蔵省は、省の考え方に縛られていて、自由な発言を認めないように映った。経産省が自由な気風を持つといわれるのは、その辺りの話なんだろうね。
ちなみに、安倍政権は、経産省寄り。政務担当秘書官の今井(尚哉)さんが経産省の官僚だからね。安倍さんは今井さんに全幅の信頼を置いている。