警視庁けいしちょう
年間予算約6500億円の首都警察
東京都を管轄とする警察組織、あるいはその本部の名称。警察法には「都警察の本部として警視庁を置く」と定められており、法律上は東京都の警察は都警察であり、警視庁はその本部にあたる。
東京都公安委員会の管理の下、警視総監が事務を統括するが、給与支払者は東京都知事。府県警察のように管区警察局の管理下に置かれず、広大な面積を有する北海道警察と同じく、警察庁の直接の監督下に置かれている。
警視庁には「東京都警察」の役割だけでなく、「首都警察」の役割もある。警察庁の皇宮警察本部が行わない皇居外での天皇・皇族の警衛や、国会、首相官邸、中央省庁、駐日大使館といった重要施設の警備、内閣総理大臣をはじめ、国務大臣、主要政党幹部、社会的影響力のある内閣総理大臣経験者などの警護も任務。
年間予算は約6500億円(神奈川県警は約2000億円)と道府県警と比べ群を抜いて規模が大きく、首都警察でもあるため、警視庁は道府県警よりも重要とされている。日本の警察官の最高位にあたる「警視総監」の階級は、警視庁のトップだけに与えられる。道府県警察本部のトップである本部長の階級は、警視総監の一つ下にあたる「警視監」。
日本の公安警察は警察庁警備局の指揮で活動しており、道府県警察本部の公安警察は、警備部に「公安課」として設置されている。しかし、警視庁は唯一、「公安部」を置いている。東京には日本共産党本部や各国の大使館など、公安警察の監視対象が拠点を置いているため。
2018.5.14更新