介護かいご
人手と財源確保が超高齢社会を乗り越えるカギ
高齢者や病人などを介抱、看護することを介護と呼ぶ。日本では超高齢社会に伴う福祉・介護人材の不足が喫緊の問題とされている。
介護の仕事には、いろいろな職種がある。特別養護・有料老人ホーム・高齢者向け住宅などの入居介護施設や、自宅で暮らす高齢者が昼間の時間を過ごすデイサービスで働くケアワーカーは、身体介護や身の回りの手伝いに加え、レクリエーションも提供する。
社会福祉専門職の介護に関する国家資格である介護福祉士 は、3年以上の実務経験と国家試験をパスしたケアワーカーに与えられ、5年以上の実務経験を持つ介護福祉士は上位の民間資格「認定介護福祉士」をとることが可能。
自宅で暮らす要介護者の日常生活の援助を行う介護スタッフ「ホームヘルパー」は、「訪問介護員」 とも呼ばれている。訪問介護は、介護福祉士と国で定めた研修を受けた訪問介護員が行うことになっている。
「ケアマネージャー」 と呼ばれている「介護支援専門員」は、介護サービスの利用者に合わせてケアプランを作り、介護関係者、医療関係者、当事者とその家族などの調整役も担う。
そのほか、老人ホームや病院、地域包括などで、利用者や患者の生活相談や入居・入院などの相談にのる相談員「ソーシャルワーカー」も介護関連の職種。
2000年の介護保険制度の施行後、介護職員の数は増加し16年間で約3倍となったが、2025年には237~249万人の介護職員が必要と推計されており、まだまだ不足しているのが現状。
そこで2017年12月に、勤続10年の介護福祉士に月8万円の処遇改善加算を行うことを閣議決定 し、修学試験貸付制度も拡大されるなど、政府も介護福祉士・社会福祉士の養成には力を入れている。また、介護スタッフ不足の解決策として注目されている介護ロボットは、在宅の介護者が陥りがちな「介護疲れ」を解決するためのストレス軽減にも役立つとされている。
2007年9月には厚生労働省の認可を受けた有償ボランティア制度「介護支援ボランティア制度」 が導入された。地方自治体が介護支援にかかわるボランティア活動を行った高齢者に対し、実績に応じて換金可能なポイントを付与する制度で、介護保険料の軽減を目的としているほか、介護予防効果、地域の活性化や住民同士のつながりの強化への期待もある。
人手不足と並んで課題とされている、介護保険の財源問題。介護保険の財源は、半分保険料、半分税金で成り立っており、税金は国25%、都道府県12.5%、市町村12.5%という内訳。介護報酬や自己負担率の改定を通して、厚生労働省も介護保険制度の維持に努めている。
自分事として考えるのは難しいが、備えはしておくべき
介護の問題は、誰しもが直面する可能性があることだと思うけれども、介護する側に関しても、される側に関しても、いざ介護の必要が発生するまで現実問題として考えられないかもね。
僕の場合、両親が健在だけれども、仮に今すぐ介護する必要が発生したとして、離れて暮らしていると物理的に難しいし、いろいろ障壁がありそうだもんな。「介護離職」という言葉があるように、親が一定の年齢に達したら真剣に考えないといけない問題だろう。
でも、介護される側に関しては、もっと現実的に考えられない。僕が要介護の年齢になったころの日本の社会保障がどうなっているのかもわからないからね。社会保障が破たんしたときのことを考えて、民間の保険でカバーしておくことも念頭において人生プランを組み立てないといけないかも。介護が必要となったら、施設に入居したいと思うけど、そのためにも経済的な自由を確保しておかなければならないと思っている。