世論調査よろんちょうさ
ネット以外を用いた無作為抽出アンケート
世間一般の意見のことを「世論」といい、統計学的な手法を用いて世論を明らかにする調査を世論調査と呼ぶ。無作為抽出された一定数の人々に設問して回答を収集する「標本調査(サンプリング)」で行われる。実施機関は、内閣府をはじめ、新聞社、広告代理店、テレビ局、リサーチ会社など。内閣や政党の支持率のほか、個別の政策、事件、事象に対する世論を調査する。
調査形態は、自宅にハガキなどで送られてくる調査内容に郵送で答える方法と、調査員が調査対象者の自宅を直接訪問し面接での聴取を行う方法、電話を通じて回答を集める方式がある。
電話調査においては、コンピュータによるRDD方式(乱数番号法)が多く採用されている。コンピュータで乱数計算を基に電話番号を発生させて電話をかけ、応答した相手に質問を行う方式で、NTTなどの電話帳に掲載されていない電話番号も抽出対象となる。RDD方式は固定電話のみを対象にしてきたが、2010年代以降はケータイのみを所有する人が増えたことから、2016年頃よりケータイを対象にしたRDDも行われるようになった。
ネットを用いて回答を受け付ける世論調査もあるが、内閣府はネット回答を採用しておらず、ネットを用いてユーザーの意識を調査したものを、世論調査ではなく「インターネット調査」と呼んでいる。ネットの普及に伴い、日本政府でもネット回答の活用法が研究されており、「インターネット調査」の結果を世論調査に役立てようとする試みもある。
選挙以外で世論を調査して何か意味あるの?
政治家は世論調査、特に内閣支持率を気にしているね。小選挙区制になってからは、選挙の顔である党首の人気がそれぞれの議員の当落に直結するようになったからね。内閣支持率が下がってくると、党内で足の引っ張り合いや次の党首選へ向けた駆け引きが始まる。
僕も今までに2回、世論調査の電話を受けたことがあるんだよね。「はい」「いいえ」「どちらでもない」の3つの中から回答を選んでくれと言われたんだけど、その3つのどれでもない場合もあった。人間は複雑な生き物だからさ、すべてのことを白黒はっきりつけられるわけではないよね? でも「どちらかというと白」の人は、世論調査では白にされてしまう。
みんながケータイを持っている昨今、固定電話への調査が全体の意見をサンプリングしていることになるのか?という議論もある。家庭に平日の昼間に電話しても、回答できるのは専業主婦かリタイアした高齢者だけ。そんな批判的な意見もあるけど、僕はそれでも世論を反映したデータではないかと思っている。
テレビの視聴率調査だって900世帯(関東)ぐらいでデータを集めているだけだし。ただ、世論調査自体には懐疑的だけどね。民意を政治に反映するために選挙があるのに、それ以外に世論を調査して何か意味あるの?