加計学園問題かけいがくえんもんだい モリカケ
学校法人加計学園が経営する岡山理科大学が愛媛県今治市に新設する獣医学部を巡る一連の疑惑事件。森友学園問題とともに“モリカケ”と呼ばれ、安倍政権の説明責任を問う問題として語られる。愛媛県今治市は国家戦略特区に指定されており、国家戦略特区の諮問会議で獣医学部の新設が52年ぶりに認められた。今治市が事業者を公募したところ、加計学園だけが名乗りを上げ、今治市で新設する方針が決まった。
国家戦略特区を担当する内閣府と、実際に学部の新設を認可する文部科学省が獣医学部の新設について協議した際、文部科学省が内閣府から「総理の意向だと聞いている」などと言われたことを記した文書が存在すると、民進党は衆議院文部科学委員会で指摘。文科省は文書の有無を調べたが、「文書は確認できなかった」と松野博一文科相が発表。しかし、当時、文科省事務次官を務めていた前川喜平氏が、複数の報道機関の取材に対し文書の存在を認めた。文科省も文書の再調査を決定し、一転して「総理のご意向」などと記された一連の文書14通の存在が確認されたと発表した。
「加計学園ありきだったのか?」「安倍首相と加計学園理事長の友人関係は決定に影響したか?」など疑惑を糾明するため、衆参両院で閉会中審査が開かれたが、真相はいまだ解明されていない。
京都産業大学も獣医学部の新設を目指していたが、特区諮問会議が、広域的に獣医師系養成大学が存在しない地域に限り新設を認める方針を決め、大阪府立大学に獣医学部がある関係で、京産大は事実上除外される形になった。さらに、内閣府と文科省が2018年度開設の1校に限り認めると発表したことで、京産大は学部開設事業者への応募を見送った。その一連の話が決定するプロセスが不透明なのが問題。説明はされているけれども、不十分な感は否めない。
加計学園の理事長と安倍首相が古い友人だったのはたまたまで、“内閣府の意向”があって加計学園ありきだったとは思わないけど、もともと加計学園は「補助金漬けで理念が無い」と学校法人の間で評判が良くないのを考えると、全国的な知名度が高い京産大で良かったのではないかなと思う。加計学園はペット獣医養成を掲げているけど、農水省は畜産業の獣医師が不足していることに困っている。一方で、ペットを扱う獣医師は余っている。ならば、まずはそのバランスを正すように努力するべきじゃないの。獣医学部を新設するよりさ。